【報告書】女子中高生夏の学校2023参加報告

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メンター部会 (西野、岩崎、藤田、伊東、川辺、清水、町田、浜田、中村、永合)

今年度の女子中高生夏の学校2023は、埼玉の国立女性教育会館にて久しぶりに対面で行われました。中高生の皆さんは8月5日から7日の2泊3日での参加で、JWEFからは8月6日の「ポスター展示・キャリア相談」と、「進路・キャリア相談カフェ」に参加しました。

 【ポスター展示・キャリア相談 研究者・技術者と話そう】

13:00から14:55に行われたポスター展示では、37の団体(学会、企業やJWEFのような理系の女性が集まるコミュニティ)から展示がありました。学会のポスター展示は、それぞれの学会の内容に興味を持つように工夫がされていました。どの学会も女性研究者を増やしたいという熱意を持って参加されているようでした。

JWEFの本年度のポスターは「あなたの夢、聞かせて」というタイトルで、参加メンバー7名がそれぞれ中高生の時から大学進学、就職、今の職業に至る過程をまとめました。中高生にとってはどの学部に進学するとどういう仕事を選択できるのか、イメージが出来ないだろうと、それぞれの例をMy Storyとして示すことで、進路を考えるヒントにしてもらおうと考えたものです。

当日は中高生の生徒さんだけでなく、TAの大学生、外部からの見学の方などがポスターを見に来てくれました。中高生の生徒さんは、大学の学部は何となく決めてはいるものの、就職先のイメージが持てていないようでした。ポスターで例を示した7名は転職している人も多く、生徒さんには就職後にも仕事の内容や職場を変更出来ることが新鮮に捉えられたようです。まずは今好きなことを大切にすること、就職した後で好きなことが変わればその時にまた挑戦すれば良いこと、就職した後も学びがずっと続くことを伝えました。

 

また、ポスターとは別に、数学副読本アプリを多くの中高生に体験してもらいました。

数学の「苦手」克服のため、数学が実際の現場でどのような使われ方をしているのかを示したアプリです。数学を使うことの具体的なイメージが湧き、数学に前向きに取り組めそうという意見をもらうことができました。

 

なお、中高生だけでなく外部の方もポスターを見ることを想定し、QRコードでJWEFホームページに誘導するなどの対応をすれば、より多くの人にJWEFの活動を知ってもらうきっかけになったのではと思いました。

 【進路・キャリア相談カフェ】

いくつかの部屋に分かれ、大学の専門分野ごとの話をするコーナー、勉強以外のことを相談するコーナーがありました。

私が参加した医歯薬のコーナーには10人強の生徒さんが集まり、その中で薬学部希望の4名の生徒さんと話をしました。4名中3名は薬学部を卒業した後に化粧品の研究職に進むことに興味があり、薬学部の6年制と4年制の違いや、薬学部以外の生物系の学部(理学部、農学部等)からの就職について説明しました。また、理科の選択科目として物理と生物のどちらを選択するのが良いかについても相談がありました。進学先や就職先が明確に決まっていないのであれば、物理を選択した方が選択肢は多いことを伝えました。薬ではなく化粧品の研究に興味があるのは、中高生にとっては化粧品の方が身近でより魅力があるためなのかなと想像しました。身近な物と研究職という職業を結び付けて考えるのはとても良いことだと思います。

 【参加の感想】

久々の対面での実施だったため、他の団体の方と交流できたのが個人的には良い経験になりました。女性の数学研究者を増やすにはどうしたら良いか?女性が理系に進む事自体のハードルは下がっているものの、理系の仕事のイメージが持ちづらい中高生にはどんな経験が必要か?など、それぞれの方が理系の女性を増やしたいという想いを持って参加されていました。
この夏学によって、生徒さんが視野を広く持って将来について考えるきっかけとなれればと思います。

清水貴子

<参考>女子中高生夏の学校2023は、国立女性教育会館にて 8 月 5 日(土)から 7 日(月)に開催されました。4年ぶりの対面開催となった今年の夏学には、全国29都府県から 98 名の女子中高生 が参加しました。加えて、31 名の女子大学生および大学院生スタッフ(以下、TA)、200 名以 上の理工系分野の協力学会、大学、高校および企業から派遣された実行委員、プログラム 運営スタッフの協力のもとで、3 日間のプログラムが執り行われました。みなさまのご協力に深く感謝します。   夏学実行委員会  永合