【報告書】第9回ロールモデルカフェ&第11回メンタリングサロン合同企画 「成熟社会で活かされるワークスタイル:テレワーク」

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●開催日:2016年12月17日

●開催場所:東京ウィメンズプラザ 第一会議室 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67

◆開催レポート

12月17日に、第9回ロールモデルカフェ&第11回メンタリングサロン合同企画「成熟社会で活かされるワークスタイル~テレワーク」を開催しました。
今回の話題提供は、長野県の上田市の、テレワークを活用した在宅ワークの拠点「アール・マム」の代表 森田 小百合さんです。森田さんからは、わが国において、テレワークが推進されない要因に加え、まだまだ多くの女性が子育てなどを理由に離職することが多いことを総務省のデータなど用いて説明頂き、これからの柔軟な働き方をサポートするものとしてテレワークが期待されるとお話いただきました。また、森田さんご自身については、「森田さんのお母さんが自宅でミシンのお仕事されていた」ことと、「自分がパソコンを使って在宅で仕事をすること」は同じイメージであり、子育ても仕事も、自然に気負わず「テレワークを活用して」取組んできた原点がそこにあるそうです。また、テレワークについては、単なる請負とならないようにするために自分の専門分野が必要であるとされており、森田さんご自身も「ラフ集合分析」をひとつの自分の専門の軸として、新しいものづくりの考えである「デライトものづくり」のプロジェクトにも参画しています。
地方に嫁ぎ、専業主婦や子育てにも取組む中で、自分の道を自分で作ってきた森田さん。講演の最後には「流るる水の如く、育む土の如し、大切にしたいものがあれば、土が肥やされていく」として締めくくられました。物事は計画通りでいかないこともあるが、その時々のご縁とチャンスを大切にチャレンジされてきた森田さんだからこその深い言葉と感じました。
  
  ※上田市もつないで、森田さんに講演をいただきました。
   
  ※皆さん熱心にお話を聴いています。

話題提供の後は、テレワークを推進するために、「個人」「企業」「地域」という主体ごとにどのようにすればよいかを、テーブルで分かれて話し合いました。
企業に属さずに、個人としてテレワークを活用して働くには、低賃金での請負だけにとどまらないような個人の専門性が必要。また、クオリティについても問題となることが多いため、チームで仕事を請ける、コーディネートするような人材を配置するといった仕組みも必要ではないかといった話がでてきました。
企業といった観点では、まずはテレワークを活用する文化を社内で醸成するため、管理職などが活用してその有用性を実感してもらうことが必要ではないか。また、在宅でも仕事ができるようなチームでのデータの整備や、個人のタスクのたな卸しや共有化、といった仕組みづくりも大切であるという話がでました。また、セキュリティといった面では、すでに導入している企業では、社内のクラウドに接続するだけの端末が支給されているケースが多く、技術面やセキュリティ面の問題は解決できるので、やはり仕組みや風土の改善が必要ということになりました。
地域という観点からは、首都圏だけの視点だけでなく、首都圏以外の地方での状況にも目を向けるべきとの話がでました。地域によっては、光ファイバーやWiFi環境の悪いところもあり、そういったところにはインフラ整備が自治体や国で求められるという話、さらに、地方でどのように仕事を請け負っていくかといった体制も必要ではないかという話もでました。
テーブルでは色々な話で盛り上がりましたが、森田さんが「テレワークは、力が発揮されれる人とそうでない人もいる。自分の力が発揮できる就労環境を見つける必要」と話されたように、テレワークのメリットを享受し活用していくには、利用者自体の主体性も必要ではないかと考える場となりました。(文責 矢部 純代)

  
  ※サントリーの事例について紹介する弥富JWEF会長 

  
  ※個人からできることについて考えるテーブルの模造紙

 ●参加人数:

 東京会場:17人(会員10人、非会員7人)

 上田会場:8人

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