【報告書】STEM分野に おける女性比率 ~日本の現状と海外取組事例から考える(2024年02月10日)

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開催日:
2024年02月10日
開催場所:
オンライン

イベントリポート

 

今回、JWEFメンター部会と産業技術勉強部会の合同企画として「STEM分野に おける女性比率 ~日本の現状と海外取組事例から考える」を開催しました。

STEM分野におけるジェンダーギャップ解消を推進する公益財団法人山田進太郎D&I財団の大洲さまにご協力いただき、本テーマに関連した国内の現状や分析、海外調査結果を含む海外事例などをご紹介いただきました。
 山田進太郎D&I財団のHPはこちらからご覧ください。

政府が力を入れて、20年前からSTEM分野のジェンダーギャップ解消に本腰を入れてきたドイツでは、2008年から2017年の間にSTEMに進学した大学1年生女子の割合は倍増したそうです。

国家協定「Komm, mach MINT」(さあSTEMをやろう)が2008年に始まり、
2022年からは「MINT-Aktionsplan 2.0」(MINT行動計画2.0)に最大4,500万ユーロ(約70億5千万円)の資金を提供しており、
中核となるGirls’sDayイベントには多くの企業が協力しているそうです。

さらに、毎年首相と学生の記者会見があり、やはり成果を出していくには首相のリーダーシップと企業、メディアの協力が重要との話もありました。

改めて、私たちに何ができるのか、を考える時間になりました。

参加くださった全員の方からアンケート回答をいただきましたので、下記抜粋します。
 <参加者の感想>
・表面的、一機関だけの取組みでは難しいと改めて感じました。JWEFとして、ワークショップの仕方とか何か共有できるコンテンツを作れたら、草の根的な活動の部分を後押しできそうですし、女性技術者からということで提言を出したら、トップダウン的なアプローチもできそうかなと思いました。
・諸外国と比較して日本が相当に遅れているというデータが衝撃的であった。中学~高校性からの文化醸成が必要であり、企業としても目先の採用対象である大学3年生だけでなく、若年層にアプローチする企画を考えていきたい。同じ問題意識を持った他社の皆さんの話が聞けて良かった。
・世の中全体の意識を変えることが基本だが、それでは効果が出るまで時間がかかりすぎるので、短期的な措置が絶対に必要。
・海外に比べてとても遅れていることに絶望を感じた。女子生徒へのアプローチはもちろん必要だが、大学生や社会人に対する大胆な教育施策はできないだろうか。
・常にこの議題を色々な場で持ち出し、みんなが考えることが必要です。日本企業の取り組みがいまひとつ足りない、つまり多くの男性中心に経営が行われている企業での危機意識がしていることが重要な問題と考えます。
・とても面白い内容でした。定量的に示されていて、全ての人に聞いてもらいたいと思いました。参加させてもらって大変良かったです。正直、理系の女性が増えることは難しいと思っていましたが、ドイツの成功例を見るとちゃんとお金をかけて国が率先してやると実現可能なことなんだと思いました。日本はジェンダーギャップが激しく、アンコンシャスバイアスがかなりかかっているためその意識から抜け出すこと、そもそも問題として捉えること自体が難しいのかもしれませんが、突破口はメディアをうまく使うことだと思いました。snsなどが発達している今、いい方向に「バズる」突破口があることを期待します。
   *** *** ***
・大変興味深いお話を聞かせていただき、ありがとうございました。ドイツの取り組みは非常に参考になりました。政府の力の入れ方が小さいのと、それによって企業の巻き込み不足に繋がっており、このようにJWEFや様々な財団など横のつながりを強化し連携して、全体のムーブメントを起こし、Top down(政府)となるように、Bottom Upの働きかけも出来るといいなと思いました。本日はありがとうございました。
・STEM分野へのキャリア支援について、諸外国からの日本の取組遅れは実感しつつも、キャンペーンや実体験などを通してSTEMへの関心や進路を変えることもできるんだ!と思いました。
今は、学校でも小学校からキャリア教育が組み込まれているようなので、そこを上手に生かせないかなと思います。(逆にそこで変なバイアスを埋め込まないようにということも)
・具体的なお話が多く、資料も豊富だったため、自分でも動けそうな部分を見つけることができました。自分も何か始めたいと思わせてくれるイベントでした。
・企業と学校の連携が大切だと気づくことができ、今後の活動に役立てたいと思います。ありがとうございました。
・みなで継続させていくことが大事で,JWEFのような組織の役割は大きく,NPO法人化で運営も大変でしょうけれども頑張ってください.何年も変わっていない現実をネットワークの力で押し開いて行かれればいいです.最近になって姪の行動を通じてメルカリが人々に深く浸透していることを実感しました.財団には既存の組織では思いつかないことをやっていただきたいと思います.
・現在、GRIPSで科学技術イノベーション政策の勉強もしていて、本テーマにとても関心があるので、大変興味深く伺いました。勤務先でも、ぜひコラボレーションできればと思います。
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・ドイツの事例が聞けたのはとてもよかったです。日本がかなり遅れていることを改めて認識しました。
今日お会いできた方々とまた何かお話しできる機会があると嬉しいと思いました。 
・素晴らしい企画をありがとうございました。ドイツの本気の取り組みにびっくりしました。日本はまだまだですね。ジェンダーバイアスの根強く残っています。微力ながら草の根活動を続けていければと思いました。もちろん政府への働き掛けも、いろんな団体が協力して実施していければと思います。
・STEM分野の女子率向上について大ベテランの方、学生の方とミーティングルームでお話できたのはとてもいい機会で、それぞれの立場からの問題の見え方を伺えたのは非常に有意義でした。講師の先生には国会答弁で国に提言してほしいというご意見にはなるほど、その通りと思いましたし、もっと投票時に政策がどうなっているか確認しようと思いました。

参加くださった皆様の評価も高く、今後も継続企画も考えていきたいと思います。

みなさま、ありがとうございました。          メンター部会長 永合

イベントの元記事

http://jwef.jp/activity/setevt_20240115112835062797488079.html

参加人数報告

個人会員:
10名
法人会員:
5名
会員外:
5名