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悠々部会 原 憲子
小浪さんは、1970年に東京大学薬学部修士課程をご卒業後、米国 ハーバード大学医学部での研究活動を経て、東京大学で薬学博士号を取得されました。その後東京大学で研究生活を続けると共に、様々な大学で学生たちを指導してこられました。
プライベートでは、現在国際的に活躍されている息子さんを育てたお母さまでもいらっしゃいます。サポートが少ない時代の子育てでしたので、息子さんを16時まで保育園に預け、引き取った後は研究室に連れていき、また研究を続ける、というご苦労もなさったとか。
このように、研究と子育ての両立はなかなかハードだったようですが、小浪さんを応援してくれる人々もいらしたそうです。例えば、小浪さんの研究室の学生さん。小浪さんが研究している間、息子さんと遊んでくれたとのこと。小浪さんの研究への熱い思いやお人柄が自然に協力者を増やしていたのではないでしょうか。
今回は、一生の研究テーマとされたレクチンの話と、留学や国際会議で訪問した世界各国の話をたくさんの写真と共に紹介してくださいました。
例えば、日本とは異なる海外の研究体制について。
ひたすら研究に没頭するのが良し、とされていた当時の日本とは違い、留学先では、サポートスタッフの協力を得ながら効率的に実験を進め、週末はむしろ「遊ぶ」ことを先生に奨励されたのだとか。それでも海外での研究の方が日本より進む、ということに大変驚いた、とのこと。今の私たちも学ぶところがあるように思います。
大正生まれの小浪さんのお母さまは海外で生活した経験があるそうですし、他にも、海外に縁の深いご親戚がたくさんいらっしゃるという超国際派の小浪さん。海外のホームパーティーで着物を着ておもてなししたことや、インドでサリーをオーダーしてパーティーで着用した話など、海外を知り尽くし、堪能した小浪さんだからこそのお話をたくさん伺うことが出来ました。
JWEFの先輩方のお話を伺う会は、今回で3回目となります。
毎回、先輩方がどのように様々な困難を乗り越えてきたかをお聞きすることで、パワーや勇気を頂いてきました。暗いニュース、心配な事柄が多い今だからこそ、意味のある企画だと再認識しました。