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法人会員 村岡 慶美
日本の伝統工芸のものづくり現場における「匠の技」の新たな伝承方法について教えていただきました。ものづくり現場には、長年の経験によって蓄積されたノウハウ、勘やコツといった言語化されていない知識(暗黙知)が数多く存在し、従来これらは師弟制によって伝承されてきましたが、昨今は少子高齢化等の観点から、計測技術(動作解析、視線計測、材料分析、ヒアリング等)を用いて可視化する手法が取り入れられているとのことでした。
講演の中では、日本の伝統技術である「装潢(そうこう)修理技術(経年劣化によって損傷した国宝・重要文化財・書画の修理技術)」についても知ることができました。また、上記の装潢修理技術の伝承として、数種類の計測技術(動作解析、圧力測定、剥離試験、ヒアリング)を用いることにより、特に重要な作業ポイントを洗い出し、短期間で効率よく技術を教授できることも知りました。
オンラインのため質問しやすい雰囲気だったところも良かったです。質疑応答時に話題に出ていた、「動作解析やヒアリングにより、熟練者が自らの作業を客観的に振り返ることで、これまで気づかなかった暗黙知を認識することも技術伝承には大切」という点もとても勉強になりました。
企画いただいた皆さん、講師の高井先生、ありがとうございました。
http://jwef.jp/activity/setevt_20200905122129410975910635.html