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メンター部会 松尾千明、石田あずさ
昨年ご好評をいただいた小中学生向け企画。今年は食品科学を研究する技術者を中心に、子供たちと一緒にスイーツを作りながら、身近にひそんでいるタンパク質の科学をひも解く企画を実施しました。
当日は、まずは冷やすのに時間がかかるゼリー作りから。普段何気なく食べているゼリーですが、どうして固まるのでしょうか。ゼリーに入れる果物によって、固まる・固まらないの違いがあるでしょうか。子供たちは、実習室の調理台の上に置かれた5種類の果物を味見して、ゼリーが固まるか予想しました。「酸っぱいと固まるんじゃない?」「繊維が多いものは固まらないのでは?」と言う子供も。自分の頭と舌の感覚で仮説を立て、ゼリーに含まれるタンパク質や果物に含まれる酵素について学んだ後、実際に冷やしたゼリーが固まったか検証しました。ゼリーを美味しそうに食べながら、「これ固まってる!」と目を輝かせて話す子供の姿が印象的でした。
この他に身近なタンパク質として、卵と牛乳を使った実験も実施しました。ゆで卵と温泉卵を実際に割って食べ比べ、違いがなぜ生じるのか学びました。牛乳とレモン汁からカッテージチーズを作る実験では、どの家庭にもあるような材料でチーズが簡単に作れてしまうことに驚きの声もあがりました。
未就学児は、まだタンパク質の科学を理解することは難しかったかもしれませんが、どの果物のゼリーが固まった/固まらなかったのかは覚えていたようです。食べるという生の感覚は記憶により強く残るのかもしれません。小学生の子供や保護者の中には、タンパク質や酵素の話に熱心にメモを取ったり、技術者に質問する姿も見られました。
食べて美味しく、知って楽しい!身近なところにあるタンパク質の科学の世界は、普段何気なく食べていても知らなかった新しい発見が沢山ありました。さらにタンパク質は食品、工業用製品や医療にも利用されていることを各専門の技術者が紹介しました。子供たちの科学への興味を広げる一助になればと願っています。
参加者の感想
http://jwef.jp/activity/setevt_20190616001707605893597725.html