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「エンジニアから経営戦略としての人財マネジメントへ」という異色の経歴を持つ橋本さん。「キャリアの4象限」にこれまでの歩みをプロットして見せていただきました。横軸はBusiness⇔Function、縦軸はHQ⇔Region、右にいくほど経営寄り、上にいくほど本社機能寄りのキャリアを意味します。橋本さんの場合は第3象限のエンジニアからスタートしていますが、その後驚くほど上下左右に渡り歩かれ、今は本部も現場も見渡せるちょうど真ん中あたりの位置で人事業務に携わっておられます。もちろん、将来どのようなキャリアを歩むかわかりませんが、こうして新しい座標に自分のキャリアの軌跡を描いてみると、これまでの仕事が自分、会社にとってどのような価値を持っていたか、また今後どのような展開が考えられるか…新しい意味付けと見通しが得られるのです。
次に話題は「キャリアコーチ」という現在の橋本さんの仕事内容に移ります。日々のパフォーマンスや現場のローカルな事情に左右されることなく、いつの日か「化ける人」を発掘し、会社の経営資産として育てていくタレントマネジメント業務とのこと。実際に、ターゲットが出席する打合せやプレゼンなどに潜入し、将来の部長候補、経営者候補を見出していきます。ここで発掘されたターゲットは、この後様々な部門を戦略的に異動していきます。人事部門より、より現場に入り込んで発掘していくプロセスがミソだとのこと。参加者相互に「異なる部門に異動させるときどのような教育をうけさせるのか」「個人の業績をどんな指標で公平に評価するか?目標の高さ×達成度?」など、自社の例をまじえながら具体的な意見交換を行いました。さらに、橋本さんは2015年からロシアavtovaz社に出向され、このタレントマネジメント制度を浸透させるミッションを遂行されます。ここで、当初想定していた言葉の壁以上に何か言葉で定義しきれない文化の違いを痛烈に感じたとのこと。何かを改革していくためには、とにかく貼り強く汗をかいて伝えていくことが大切だと考えさせられました。
途中、少しブレイク。ロシア出向時代の食べ物の話で盛り上がります。例えば、ロシアでも人気な日本料理はお寿司だそうですが、食べ方は全く日本式ではない模様。まず醤油瓶も1人1瓶ついてくる。そしてビッグサイズの醤油皿に醤油をなみなみ注ぎ、シャリが崩れてしまうほどどっぷりお寿司を浸して食べるとのこと!参加者一同驚きです!
現在橋本さんは、「部門を横断してまとめていく力」「外に出て学ぶ力」など、次の時代に重要となってくる能力をどのように人事評価に落としていくかといったことに取り組まれているとのこと。日々こなさなければいけないルーチンは山ほどありますが、平日の夜、夕食をまじえながらディスカッションし新たな気づきを自分に取り入れることも一つの力となると痛感。今後の技術メンタリングサロンもこのような場作りができればと思います。
様々な気づきを得ながらお話しを伺う参加者のみなさん。 少しお酒も入ってフランクに具体的な意見交換ができました
最後に参加者のみなさんと笑顔で記念写真!
<参加者の感想>
・当たり前と思っていたキャリアの歩み方はあくまで自社特有のもの。歩み方が凝り固まらないよう他社の人と共有していきたい。
・ゲストの方のご経歴やご経験を伺うと同時にキャリア形成や目標管理に関する社内制度についてお伺いするという内容で非常に良かった。
・すぐに自社で取り入れられるような成果が得られなくても、何かに触発される可能性や人とのつながりが持てることが大切。
・ゲストの方だけでなく、参加者が相互に会話できる雰囲気であったのでとてもよかった。
報告文:JWEFメンター部会 庭野真理子
http://jwef.jp/activity/setevt_20170529212318301558072451.html