【報告書】第12回メンタリングサロン「80歳まで働く時代? - 40代からのキャリアチェンジ -」(2017年01月29日)

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開催日:
2017年01月29日
開催場所:
築地社会教育会館

イベントリポート

 <プログラム>

10:00-10:10 開会・導入

10:10-10:20 参加者の自己紹介

10:20-10:50 三反畑尚代氏によるプレゼンテーション

11:00-11:20 4-5名グループでのメンタリング(I)

11:20-11:40 4-5名グループでのメンタリング(II)

11:40-11:50 発表

11:50-12:00 アンケート,写真撮影

 

■話題提供 

1月29日に、第12回メンタリングサロン「80歳まで働く時代?―40代からのキャリアチェンジ―」を開催しました。今回の話題提供者は、電機メーカーで家電の開発業務に従事された後、結婚退職。その後、つくば市の研究 機関での実験助手を経て、現在キャリアコンサルタントとして活動されている三反畑尚代さんです。

はじめに、前メンター部会長・育休後コンサルタントの山口理栄さんから、今回の企画のきっかけとなった本『ライフ・シフト―100年時代の人生戦略』(著者 リンダ・グラットン)をご紹介いただきました。人生100年の時代に入り、従来通り60歳前後で定年を迎え、そこから第二の人生を考えていくやり方では到底生きていけない。ではどうするか?諸先輩方をまじえて、皆で考え準備をしていこうという動機付けをしていただきました。

次に参加メンバーの自己紹介、そして三反畑さんの話題提供に移ります。発達課題の研究者の レヴィンソンによると、私達は「死ぬまで発達」します。参加者一同はっとさせられます。続けて、生涯発達するからこそ、40代に入り、思春期とは別の視点で、今後の人生においていろいろ思い考える過渡期を迎えるとのこと。このような導入をしていただくことで、過渡期を自然のこととしてとらえ、その後の準備をしていくことができます。

ご自身のことを振り返ると、ご家庭のこと、子育てのこと、職場のこと…それぞれにおいてたくさんの小さな「過渡期」があったようです。例えば、第二子ご出産の後、産後鬱を経験され、以来ずっと心理学について何か学びたいという気持ちを持たれます。また実験助手として勤めていた研究機関で、よく会話をされていたポスドクの自殺という出来事に遭遇し、「私はどんな対応を彼にしてあげればよかったのか」と悔いた毎日から、学ぶきっかけを作られたようです。 一方、ご家庭では、男の子3人の子育てに追われ、何かしようと思っても自分だけに時間もお金もかけられず、とにかく目の前のことをこなしていく状態が何年も続いたようです。

そのような中でも出会った機会やきっかけを温め続け、仕事も子育ても一旦の節目を迎えたところで、産業カウンセラーの養成講座に通学され資格を取得します。 周囲の方々のちょっとした導きに素直に反応していく三反畑さんの姿がとても印象に残りました。

さらにキャリアコンサルタントの養成講座に通われ、「勉強だけでなく、実践が必要」との思いから、メンタルレスキュー協会にて、鬱や惨事を経験された方に対するカウンセリンの構造化を学び、カウンセリングの基本、ロールプレイの場を求めてその実践が可能な勉強会に参加されたようです。自分の目の前の仕事をこなしながら、並行して自分のスキルを実際に磨いていける場所を見つけていく方法はとても参考になります。 こうして2015年にキャリアコンサルタントの資格を取られ、現在キャリアコンサルタントとして勤めていらっしゃいます。相談者の要求する仕事を紹介するだけでなく、この場に至った経緯などを傾聴し、根の深い不安などを引き出しているとのことで、実際に過去積み重ねてきたことがこの場につながってきています。 

講演の最後は、三反畑さんが大切にしていらっしゃる「Planned Happenstance Theory」(John D. Krumboltz)という言葉で締めくくられました。不遇も好機ととらえ、努力を積み重ねていくこと。これが思いもよらぬところで花開くという意味の言葉で、様々な場面で過渡期を迎える私たちに寄り添ってくれる言葉と思いました。

  

 

 ◆4-5名グループでのメンタリング

話題提供の後は、本日の感想をふまえ、自由テーマで4-5名毎のグループに分かれて話し合いました。

<参加者の感想>

⚫技術者として80歳までやっていくのは難しい。別の軸を持つことは必須と思う。

⚫日本企業では、技術者がある程度の年次になると管理職を求められ、それができないと落第となる。一方、自分自身はそれに適していないと明確に感じており職人として生きていきたいと思い、スキルを磨く場を探している。

⚫社内でキャリア、スキルともに中途半端な位置にいると感じており、次のステップの準備のために、皆どのような勉強をしているか知りたい。

⚫キャリアを積み、今度は後輩のためになにかしたいと思い、後輩を連れてきた。

⚫「日本女性技術者フォーラム」という名前に硬さを感じてしまう。バリバリの女性技術者の方ばかりかと思い、実際に来てみると、アットホームで親しみやすい。

⚫産休明けで復職したばかり。今後どうしていくか悩んでいる。

 

 私達ひとりひとりやってみたいこと、求められていることが異なります。さらにそのときどきでできることとできないことがあります。このため、人からピンポイントで正解を得ようと思い焦る必要は無く、過渡期にどのような気持ちで臨んでいたか、停滞していると思われる時期でもどのような方法で備えていたか、これら情報交換することで、日々頭の中を更新し、色々な選択肢を知りながら準備していくことが重要と感じました。(記:庭野真理子)

 

 (撮影メンバーを替えて、もう一枚集合写真)

★メンター部会員を募集しています★

これからのキャリアや働き方、ワークライフなどひとりひとり抱えている問題は異なりますが年に数回のメンタリングサロンやロールモデルカフェを中心とした企画立案もしながら一緒に考えてみませんか?活動は、年に2-3回のFace To Faceの部会の他は、メールやスカイプ、サイボウズを使います。地方の方、お子さんがいらっしゃるので集まるのが難しい方もお気軽にお声掛けください。

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 問合せ先: jwefmentor@gmail.comへお願い致します。

イベントの元記事

http://vim128.layer-7.ne.jp/activity/setevt_20161229231942667537420093.html

参加人数報告

個人会員:
9名
法人会員:
7名
学生会員:
0名
会員外:
6名