キャリアカフェ「私らしいキャリア創りのために〜MBTI フィードバックセッション〜」報告 #JWEF

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日本女性技術者フォーラム関西部会主催
日本女性技術者フォーラムメンター部会共催

日本女性技術者フォーラム関西部会長、メンター部会会員
中谷敬子

概要

日時:2013年8月11日 13:00-17:00
場所:大阪府立大学工業高等専門学校 教職員ラウンジ
参加者:女性技術者2名、男性1名。理工系女子大学院生4名。

FBセッションは3部構成でした。第一部はMBTIの紹介、第二部は心の動きの利き手を実際に体験するアクティビティ、第三部は、女性のキャリア構築についてのフリートークでした。

第一部に入る前に、それぞれが、このセッションに期待することを含めた自己紹介タイムがありました。就職活動中の学生、部下を持ち新たなキャリアステージに入ろうとしている技術者、それぞれの想いを共有しました。就職活動の中で、上っ面の自己理解ではなく、深く自分のことを知って整理したい、とか、特にアイデンティティ構築期の学生の「表向きの自分に押されて、本当の『私』が薄らいでいる気がするので、本来の「私」、知らなかった新しい「私」にも出会いたい」という言葉は印象的でした。企業の女性技術者からはワークライフバランス、キャリアステージの変化などから、自分を見つめる機会になればといった話がありました。

まず第一部は1時間の時間を使って、MBTIについての紹介と、検査結果を導き出すもととなっている心の指標についての説明がありました。MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)は、ユングの心理学的タイプ論の考えをもとに開発された質問紙への回答をもとに検査結果が得られるものです。自分自身を知り、人と人との違いを認識し、お互いに尊重しあえることを目的に作られた、自己理解のためのメソッドです。

MBTIは、一人ひとりの性格を心の機能と態度の側面からみたもので、16 タイプに類型化してとらえようとします。 16タイプそれぞれの強み、特徴、そしてその人の今後の課題を整理し、個人の成長や人と人との違いを理解し、周囲の人との人間関係作りにも役立てることができます。MBTIの結果はタイプに類型化して返却されますので、人の心の動きの癖や特徴を正しく理解しておかないと、「明るいタイプ」といったような、特性論としてとらえたり、結果で得られたタイプのままに思い込んでしまったりしてしまう危険性があります。検査結果は、あくまでも、きっかけととらえ、フィードバックセッションを通じて、自分がしっくりくるタイプすなわち、「ベストフィットタイプ」を自分でみつけていきます。そのため、フィードバックセッションは、MBTI認定ユーザーのファシリテートで行われ、参加者のベストフィットタイプを見つけるための過程を支援します。

まず、最初の1時間で、MBTIの考え方、一人ひとりの性格を心の機能と態度の側面からみた説明がありました。それらは、「ものの見方(感覚・直観)」と「判断のしかた(思考・感情)」及び「興味関心の方向(外向・内向)」と「外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)」の4 指標であらわされ、それぞれを具体例をあげながら詳しく説明し、参加者がそれらの指標を理解するためのセッションがありました。

休憩を挟んで、第2部となりました。16タイプのいずれかのタイプと診断された検査結果が参加者に返却され、内容についての説明がありました。返却されたシートを前に、学生チームはひとしきり盛り上がりました。その後、「ものの見方(感覚・直観)」と「判断のしかた(思考・感情)」及び「興味関心の方向(外向・内向)」と「外界への接し方(判断的態度・知覚的態度)」の4つの指標における心の動き、行動の仕方が顕著に出てくるようなグループワークをそれぞれの指標に対して行いました。情報を取り入れるという場面に対して、グループワークをしては、結果を模造紙に書いたものを見せながらチームで発表し共有しました。タイプが違うとずいぶん違うということを、目の当たりにして、驚きや笑いが絶えないセッションとなりました。特に、「判断の仕方」、「外界への接し方」の指標に関するグループワークでは、その特徴にたいする理解が進むにつれて、日常や職場でのコミュニケーションを取る際に、この違いを認識しておくことで、接し方や、対応の仕方が変わるね、という話が出てきました。学生チームの中からは、仲が良くても、うまく行かないときがあったけど、タイプから理解するとなぜそうなったかわかる!という声が上がりました。

第三部では、「学生から社会人への移行期の課題(中教審)」、「女性の就労の現状と課題(厚労省)」の資料が配布され、簡単に女性の就労の現状を共有しました。メンタルヘルス、ワークライフバランスについても話が及び、特に女性の妊娠出産を踏まえた継続のために必要な支援についてのデータも示されました。理工系女子学生と企業で働く女性同士での意見交換、企業で働く女性ならではの悩みも共有し、異なる視点から意見交換を行いました。時間を大幅に延長してのセッションとなり、時間が足りないという思い中でお開きとなりました。

アンケート自由記述より

非常に有意義な検査で、自覚していなかった自分ややっぱり自分はそうなんだと改めて気づかされた自分など多くのものを得ることができました。相手のことを気にしすぎる私にとっては、人に対する接し方にも使えると感じ、そういった面でも学びの多い時間となりました。今後の生活や来年からの社会人生活の中でどんどん活かしていきたいと思います。(学生)

今日の内容は、社会に出て日常業務に埋もれるとなかなか考えない視点なので、その意味で有意義な時間をすごす事ができたと思っております。(企業技術者)

(以上)

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