【報告】2013年6月定例会「経済成長を実現させるために 女性と企業は今 何をすべきか」 #JWEF

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JWEF運営委員 長曽我部 紀理子

概要

日時:
2013年6月2日(日)14:45〜16:45

場所:
泉ガーデンコンファレンスセンター 4階 ボードルーム

基調講演:
「女性の力を活かした経済活性化」
JWEFアドバイザリーボード 西山圭太氏 (経済産業省 大臣官房審議官)

対談:
「経済成長をじつげんさえるために女性と企業は今何をすべきか」JWEFアドバイザリーボード 西山圭太氏 (経済産業省 大臣官房審議官)
JWEF運営委員長 渡辺美代子氏 (化学技術振興機構フェロー 開発主監)

司会:
長曽我部 紀理子 (JWEF運営委員)

参加者:
法人会員8名、 個人会員26名(2名)、 一般26名、 合計60名 ()学生うち数

内容:
西山氏による基調講演(30分)、西山氏と渡辺委員長の対談(45分)、交流会(45分)

2013年6月2日JWEF総会に引き続き、JWEFアドバイザリーボードの経済産業省大臣官房審議官 西山圭太氏による「女性の力を活かした経済活性化」の基調講演を開催しました。データに裏付けられた事実から国の施策を紹介していただき、施策の必要性を参加者は再認識することとなりました。続いての対談では、JWEF運営委員長である渡辺氏から、参加者の声を代弁したするどい質問や提言があり、また会場の賛同の挙手を求めるひと場面もあり、現場の声を国の施策へ直接届けることのできる貴重な機会となりました。参加者との議論をし尽くす程の時間はありませんでしたが、引き続き行われた交流会にも西山氏にご参加頂き意見交換が継続され、盛況な中、定例会を終えました。

感想

「経済成長を実現させるために 女性と企業は今 何をすべきか」に参加して

JWEF監事 中村 立子

JWEF創立21年目を迎え、会員の民間企業在籍者比率が増加し、法人会員のサポートも増えつつある中で、JWEFの今後の活動に資する意義深い機会となりました。
前年度後半より外部アドバイザリーボードにご就任頂いた経済産業省経済産業政策局大臣官房審議官の西山圭太氏による基調講演「女性の力を活かした経済活性化」と、それを受けての運営委員長渡辺美代子氏との対談が行われました。経産省の審議官に直接お話を伺えるめったにない機会とあってか会場は60人の参加者でいっぱい、その熱気も。
西山審議官は経済と言う切り口から、日本の「経済活性化・経済成長」には女性の活躍が欠かせない重要な課題であることを国内外の豊富なデータにより説明されました。私なりに、経産省で分析された中での課題の設定は大きく括ると以下の2点だと思いました。

①女性就労の「量の拡大」・・・潜在労働力の就労だけでもGDPを増加させ、経済にはインパクトのある効果が見込め、また、活躍する女性のすそ野を広げることにも繋がる。
②女性就労の「質の向上」・・・女性の管理職・役員を増加させることが、経済のグローバル化に対応できる「経営戦略としてのダイバーシティ経営」の推進が繋がる。また、このような女性が増えることで様々なキャリアアップのロールモデルの提供ができる。

この2つの課題を解決する中で、両者のシナジー効果が期待されているのだと思います。
これら課題解決に向け、政府は「女性活躍は成長戦略の中核」とする政策を掲げ、女性の潜在能力の活用、積極的な女性管理職・役員の登用、待機児童解消加速化や「3年育休」などを発表し、経済団体への働きかけを始めているという現状が語られました。
日本においては②が特に遅れている現状があり、「質の向上」というフェイズにたどり着いたという感慨と共に、諸外国のポジティブアクションに学びたいと心底思いました。
「量」から「質」への転換こそJWEFの活動へと繋がるものと確信し、そのために経産省がどのような取り組みを展開されるのか期待が高まります。昨年度より「ダイバーシティ経営企業100選」事業が開始されています。東証による「なでしこ銘柄」の選定もありました。まず、第1歩を踏み出したところでしょうか。今後の展開が楽しみです。

第2部の対談では取り組みへの具体的な課題について渡辺委員長が的確に質問し、お互いの意思疎通に繋がったと思います。そのうち興味深かった2つを挙げてみます。
・管理職・役員への女性の登用にはどのような策があるか?⇒企業はそのような人材が社内に育っていないと言うのが常なので、まずは社外役員としての登用を提案している。女性もその役割の中で成長できる。
・「育休3年」を女性が望んでいるのか?参加者への委員長の問いに、参加者はほぼ全員「支持していない」という反応⇒「3年抱っこし放題」「育休3年」はキャッチフレーズであって最長3年までの育休取得可能への取り組みは男女とも選択肢を広げるということである。
この後、会場からも質問が相次ぎ、時間が足りないと感じる程、充実した対談でした。ご多忙な中、ご講演、対談でご登壇いただきました西山審議官に心より感謝致します。


経済産業省 大臣官房審議官 西山圭太氏


「経済成長を実現させるために女性と企業は今 何をすべきか」に参加して

講談社Rikejo事務局 矢部 純代((株)エンパブリック)

この度は、貴重なお話を聴かせていただきまして誠にありがとうございました。講談社のRikejoプロジェクトでは、理系を目指す女子中高生を、WEBでのQ&A、ロールモデル集の冊子提供、イベント実施等によりサポートするサービスを提供しています。また、彼女たちを応援する理系女性のためのコミュニティも運営しており、カフェ活動や勉強会などを行っています。

こうした活動をしていく中で「今なぜ理系女性なのか?」「何が他の人とは異なるのか」について色々な方から聞かれますし、自問自答することもよくありました。私自身、多くの理系女性にお会いして、その素敵さを再確認するとともに、「これらの方々のすばらしさをもっと知ってもらいたい」「理系女性として生きることは楽しいよと伝えたい」と確信していたのですが、今一つ何か足りないようにも感じていました。しかし、今回西山審議官のお話を伺って、私たちの活動が日本経済の成長といった視点からも、その意味があるというご示唆を頂いて、活動のよりどころがより明確になったようにも思います。


また、今後企業等における女性の活用において、政府主導のもと制度などが整えられていくとは思いますが、一方でやはり大事なのは女性自身の「活躍したい」「企業や社会に貢献したい」という気持ちだということも痛感しました。渡辺運営委員長の「私たちにその覚悟がありますかということが問われています」というお言葉は力強く、何か背筋がピンと伸びたような気がします。そして、そのような覚悟で活躍していくことは大変なことでもありますが、働くことの醍醐味でもあるということをさらに多くの女性に伝えていかなければならないとも感じました。管理職として活躍されている方から「新しい山を登った時に見える景色は違う」と聞いたことがありますが、是非、多くのリケジョにこの山を登ったリケジョマインド「トライ&エラーができる(くじけない)」「PDCAを常に考える」等々を持っており、まさに、今求められている会社や企業を動かすことのできる人材に値すると思っています。今後、私たちのプロジェクトにおいても、これからの社会や経済を担うリケジョ、グローバルに活躍できるリケジョを輩出できるよう、中高生はもちろん理系女性の皆さんのお役に立てるよう活動していきたいと思います。


左手奥 経済産業省大臣官房審議官 西山圭太氏
右手奥 JWEF運営委員長 渡辺美代子氏

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