日中韓女性科学技術指導者フォーラム参加報告 #JWEF

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主催は韓国女性科学技術連盟KOFWSTで、会長のMyoung-Ja Kimさん(元国会議員で環境大臣)が本会議の代表も務めました。日本から6名、中国から5名、韓国から20名強が参加しました。内容は科学技術政策と女性研究技術者及び原子力の安全性について、2つのセッションがありました。日本からはそれぞれの議題について3名ずつが参加(科学技術代表として、JWEF運営委員長渡辺、日本女性科学者の会から野呂先生、JSTから岡山さんの3名、原子力関連の代表として原子力学会副会長の藤田さん、JAEAの柏木さん、都市大の小川先生の3名)、2つのセッションではそれぞれ日中韓の代表が発表して議論するというものでした。日本の発表は科学技術についてINWES-Jメンバーであり日本女性技術者フォーラム運営委員長としての渡辺が、原子力については原子力学会副会長としての藤田さん(東芝の首席技監)が、それぞれ韓国からの指名で発表しました。

会議前半は科学技術政策と女性というテーマでセッションが組まれました。韓国には、女性科学技術者が政策として国会議員になり大臣に登用される仕組みがあり、本会議にも女性科学者の国会議員が2名参加、元大臣が1名(Kimさん)参加しました。女性活用方針という10年計画や女子大生が高校を訪問する“工学少女時代“の取組み、原子力、インターネット、環境の分野で女性が自ら寄与する”Young girl’s cup”の取組み等が紹介されました。中国は、これまでの女性研究技術者の取組みと現状を紹介し、様々な面で積極的に科学技術に取組んでいる様子が示されました。積極性は素晴らしいものの、科学技術の内容はまだその勢いに追いついていないという印象を受けました。

日本の発表では、科学技術政策として総合科学技術会議と学術会議の組織体制、科学技術基本計画による科技術政策の仕組み、及びJWEFをはじめ女性研究技術者の会の活動を紹介しました。科学技術政策の仕組みと制度は充実しているものの、女性登用を含め成果として出ていないという問題点を示しました。議論の中では、米国滞在者の見方としてアジアの女性は謙虚過ぎるのが問題でありもっと自信を持って前進すべき、特に日本、韓国、中国の順で問題との指摘があり、これについては、もっと女性が自ら積極的になろうという議論となりました。また、議論の中ではJWEFの資料にある”Old boy’s network”に共感する意見が多く、どの国もこの壁に苦労している共通点が浮き彫りになりました。会議後半の原子力安全性のセッションでも、勢いあまり安全性への配慮が心配される中国、福島の事故を経験し安全性に熱心に取組む日本、日中の間にあり原子力政策が決まらない韓国という構図が見えました。

全体として、議論は大変活発で、6時間の会議で休憩は10分のみ、3国の女性科学技術者がより連携してアジアをリードして行こうという結論になりました。2日に亘り、食事も含めて多くの時間を共有しながら会話をし、十分交流は図られました。アジアの外交としてこのような交流も重要であり、女性科学技術者が同じテーブルで活発に議論することの重要性を再認識いたしました。会議室、宿泊施設、交流会場、どれをとってもとても素晴らしい場所で、大変丁寧なおもてなしでした。来年は、日本の日大(市ヶ谷)にて第5回フォーラムを開催することが決まりました。INWES-JのメンバーであるJWEFの活躍が大いに期待されます。

JWEF運営委員長 渡辺

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