女子中高生夏の学校2012が8月9-11日に開催されました

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8月9日(木)-11日(土)に、国立女性教育会館(NWEC)にて女子中高生夏の学校2012が開催されました。その様子をお知らせします。

女子中高生夏の学校2012 参加報告

永合由美子

2012年8月9日〜11日、国立女性教育会館にて、女子中高生夏の学校が開催されました。
全国から集まった118名の女子中高生と保護者・教員30名、そして定番のピンクTシャツに身を包んだ先輩TAが30名。今年のチーム名は「単位(ガウス、ケルビンなど)」。会場は3日間、爽やかで伸びやかな若い熱気にあふれていました。


チーム名を手書きしたTシャツ姿のTAたち

今回、夏の学校の企画委員にJWEFからは運営委員2名(町田氏,永合)が参画し、主に3つの企画を担当しました。まず、オリエンテーションの後に行われる、「キャリア講演」。30代までの若手先輩のリクエストを受け、2010年のJWEF奨励賞受賞者であるJAXA永松愛子氏、法人会員である日本IBMの柳優氏を演者に推薦しました。お二人は、それぞれの現在の仕事、理系選択のきっかけや仕事選びの理由、学生さんへのメッセージを盛り込みながら、中高生に熱く語りかけてくださいました。お二人ともグローバルな仕事に携わる中、英語を使っての現場の様子や、さまざまな課題への取組を身近にお伝えくださる内容に、大会場からも次々に質問の手が挙がり、時間をオーバーしてのプログラムとなりました。

2日目のポスター展示には、JWEF運営委員5名(渡辺氏,岩渕氏,山口氏,町田氏,永合)が参加、「ロールモデルを見つけよう!」をテーマに、会員の皆様からお寄せいただいたメッセージと写真を入れて作成したポスターを貼り出し、日刊工業新聞発行のロールモデル冊子も配布しました。ブースにも、次々と学生さんが立ち寄ってくださり、大学生のTAが、「まさに私たちのための企画」と言って下さったのが印象的でした。

2日目の夜の担当プログラムは、保護者・教員向けサイエンスカフェIII。講師の渡辺政隆先生(日本学術会議連携会員、筑波大学教授)をお迎えし、NECの森岡氏、NTTの為近氏、JWEFからは町田氏,永合が協力して、議論の場を作りました。渡辺先生からは、海外とも比較した日本の理科教育の現状を講演頂き、その後、4つのグループに分かれてディスカッション。議論の内容を書き出しつつ、整理して各グループで発表していただきました。保護者の方は、遠方の方も多く、特に首都圏以外の地方ではまだまだロールモデルも少なく、理系に対する理解もやや低い印象を受けました。

JWEFの活動としても、女子中高生夏の学校への参加は定着し、女性技術者像のロールモデル提示や保護者向けのプログラムではJWEFならではの存在感を示していると感じています。来年以降も参加を予定していますので、会員の皆様も、ポスター展示等に積極的にご参加いただけたら幸いです。

女子中高生夏の学校 ポスター展示に参加して

岩渕祐子

8月10日に行われたポスター展示のブースには、中高生、夏学TA、保護者・教員などが訪れ、進路選択や就職について語る貴重な時間を過ごすことができた。


JWEF ポスター展示ブース

最も印象に残っているのは、「宇宙の勉強がしたい」「商品を開発したい」と目をキラキラさせながら進路や将来の夢について話す中高生の姿である。ブースを訪れた中高生の多くは、将来の目標や就きたい職業をしぼり、それを実現するために理系に進むことを考えていた。このような意識の高い中高生が日本中にいて、着実に将来のリケジョが育ちつつあることは、夏学に参加して初めて分かったことである。

もう1つ印象に残ったのは、中高生のまとめ役、夏学TA(現役大学生・大学院生)である。TAは、中高生の一番身近なロールモデルであるのと同時に、近い将来、就職や進学などを決めなければならない場合も多い。ブースにTAが訪れた時には、JWEF会員が自分のキャリアを説明し、多彩なロールモデルを持つJWEFの活動紹介をし、さらにTAのキャリア相談を受けたりしておおいに盛り上がった。

夏学に初めて参加し改めて実感したことがある。それは、中高生やTAなどの若いリケジョに対し、今後もわれわれ大人のリケジョがいかに生き生きと働いているかを、ロールモデルとして伝えていく必要があるということだ。自分もリケジョの一員として、今以上に努力していきたいと考えている。

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