定例会(2011年11月20日)活動報告 世界初のメガネなし3Dテレビ開発物語と女性技術者たちの本音トーク

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-サイエンスアゴラ2011- 産業技術総合研究所臨海副都心センター本館

JWEF運営委員 町田芽久美

11月の定例会はサイエンスアゴラ2011の企画「世界初のメガネなし3Dテレビ開発物語と女性技術者たちの本音トーク」として開催いたしました。サイエンスアゴラでの初めての企画となりましたが、50名を超える参加者の大部分は非会員の方々、そして多数の男性にご参加いただきました。また当日は、リケジョ(講談社の理系女子応援サイト)や、サイエンスアゴラの取材も入り、JWEFを広く知っていいただく機会となりました。講演やパネルディスカッションの様子、参加者の感想をお伝えします。

第1部は㈱東芝研究開発センターマルチメディアラボラトリーP1010385_org主任研究員の福島理恵子氏に、3Dテレビ開発物語についてのゲスト講演をお願いしました。福島氏は㈱東芝に入社後、液晶研究に関わられました。出産・復職後は裸眼3Dディスプレイの研究開発に携わられ、2010年全国発明表彰21世紀発明賞、2010年ウーマンズ・オブ・ザ・イヤー2011大賞、2011年APEC Women and the Economy Summit (APEC USA 2011)APEC女性イノベーター表彰を受けられた方です。講演では、グラスレス3Dレグザの製品化と今後の予定を技術的な説明も交えて分かりやすく説明いただき、さらにご自身の経験を踏まえた東芝のワークスタイルイノベーションを語っていただきました。

フロアからの質疑応答では、技術的な話題や、「壁に当たった時の対応方法」、「発明が生まれるきっかけはどんな時か」等様々な質問が寄せられ、それらに丁寧にお答えいただきました。

第2部は福島氏に加えて、行木陽子氏(日本IBM㈱ ソフトウエア事業部 エグゼクティブITスペシャリスト)、永松愛子氏(宇宙航空研究機構(JAXA)主任研究員)、白井亜矢子氏(王子製紙㈱ 新事業・新製品開発センター グループマネージャー)をパネリストに迎え、モデレーターを西田薫氏(㈱東芝 多様性推進部 グループ長:JWEF運営委員)が勤めた女性技術者の本音トークが行われました。

多岐にわたる分野でそれぞれの活躍をされているパネリストが、仕事やプライベートについて簡単な自己紹介をした後、「理系に進んだきっかけ」「なぜ今の会社を選んだか」「一番の思い出の仕事」「キャリアの転機」「仕事と家庭の両立」「これからの目標と震災復興のために貢献したいこと」等の話題についてのディスカッションで盛り上がりました。

最後にフロアからは「仕事を辞めたいと思った時はありますか」とか「理系を選択する女子を増やすにはどうしたらよいか」の質問が出されました。

それぞれに共感の笑いやうなずきもあり、モデレーターの西田氏が上手に本音を引き出したパネルディスカッションで、参加された方にも満足いただけたと考えます。


パネリストの皆さん


パネルディスカッション会場風景

世界初のメガネなし3Dテレビ開発物語と女性技術者たちの本音トーク」感想

㈱リコー 長曽我部 紀理子

メガネなし3Dテレビ開発を担当した女性が開発の話とワークライフバランスの話をしてくださるとのことで、エンジニア魂をくすぐられるところと、ワークライフバランスに興味があったので、すぐに参加を決め、心待ちにしていました。

私自身、社会人になり、知らなかったことが山ほどあり、目の前にある業務を貪欲にこなす事で、多くの知識を吸収し、また、人脈を広げてきました。そして、今、これまでのキャリアを振り返り、周囲を見渡し、新たな1歩を踏み出す変化の時期に来ていることを感じていました。

ただ、その先がどうなるのか、どうするといいのか、何か参考にする物や事を求めていたので、福島さんのご講演やパネルディスカッションでの皆さんのお話をそういった視点で拝聴していました。

仕事の取り組み方に「パレートの法則」を取り入れ、時間を有効に活用する考え方や、
困難や逆境へは「信念」「仲間」「主体性」を持って乗り越えていらっしゃった福島さん、
「物事はどう受け取るか、受け取り側の考え方次第」とおっしゃる行木さん
何に対しても限界を決めつけずに積極的に取り組まれるパワフルな永松さん、
狭き女性技術者の道を歩み続け自ら新たな分野を切り開いてきた白井さん、
パネラーのみなさんの内から発する凛とした強さを感じ、とても刺激になりました。

そして、モデレーターで、技術者としてのキャリアもお持ちの西田さん、ご自身の経験談を踏まえながらの進行で、パネラーの皆さんからも、具体的なお話を伺うことができ、まさに「本音トーク」のディスカッションでした。物の本を読むよりもずっと有意義な時間で、今の気持ちを忘れずに、今後に活かしたいと思いました。ありがとうございました。

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