2011年度第1回定例会:アドバイザリーボードとの交流会報告 2011/6/11開催

点線

第1回定例会 アドバイザリーボードとの交流会「女性技術者のキャリア育成について」

2011年6月11日に女性就業支援センター(旧女性と仕事の未来館)にて総会後に、アドバイザリーボードとの交流会が開催され、ボードメンバーを含め18名が参加しました。
JWEFの強みである異業種の技術者交流、特にさまざまな分野で活躍されたアドバイザリーボードの方々とテーブルを囲み、生のお話が伺える大変貴重な機会となりました。

今回出席いただいたボードメンバーは、㈱アスキング代表取締役の青野 厚子氏、前 東京大学特任教授そして国際女性技術者・科学者ネットワーク(INWES) 日本会長の都河 明子氏、元 日本IBM(株)技術理事の菅原 香代子氏、そして川崎市教育委員・大学非常勤講師(東京農工大等)の中村 立子氏でした。
 グループに分かれ、ボードメンバーからご経歴の紹介、参加者の自己紹介を経てお互いの交流を深め、最後に全員で内容をシェアし、充実した2時間余を過ごしました。

参加された方の感想を、グループ毎に寄せていただきましたので紹介いたします。(運営委員 町田芽久美)


定例会に先立ち開催された2011年度総会風景

グループA アドバイザー 青野氏

31歳で㈱アスキングを立ち上げ、以来30年社長業を務めた青野さんは、今年4月から一線を退き、後進に道を譲り、今は資本家として鞭(笑)をふるいに会社に行かれる他は、体力の続く限り遊びに熱中しておられるという毎日。

会社を経営する上で最も大切なことはGNO(義理・人情・恩返し)との若手IT業界の旗手藤田晋の言葉を挙げ、実際、仕事の8割は対人間の事であるという説得力あるお言葉。もともとは机に向かってプログラミングすることが大好きで、性格も昔からへ理屈屋さんだったそうですが、始めの職場では「危険分子」扱い(笑)。社長業の中で人の面白さを知り、嫌われないような対応方法を工夫してきたと話されていました。

中間管理職である聞き手の私たちに対しても「嫌いな人は作っちゃだめ」「自分が社長だと思ってやれば伸びるわよ」とアドバイスをいただきました。

「従順すぎる=卑怯者だと思うのね。自分の意見を言わず従っておいて、後からそう思っていなかったと言うなんて卑怯者よ!」 とか「私は逆境に強いタイプで、平和が苦手なの。自分がどんなタイプか知ることも必要」など、ご経験から発せられる言葉は強くてとてもカッコ良かったです。

ここでは書ききれない創業前のお話や、最もご苦労なさった人材採用のお話など、とても豊かで興味深いお話満載でした。ホントに私も経営者を目指したくなりました(報告者 吉田睦子さん)。

グループB アドバイザー 都河氏

都河アドバイザーを囲むテーブルでは、まず多様性に満ちた都河先生の半生を伺いました。子供時代から「カエルの子は何故カエルなのか?」と不思議に思っていたこと、「生きているってどういうこと?」を知るために、自ら捕まえたガマカエルを外科医の父親と庭で一日解剖し、各組織・臓器を観察・写生するなど、相当な科学少女だった様子。

そんな都河先生に教えていただいたのは、「女性が男性社会で活躍するコツ」。女性は男性に比べ、ネットワーク作りが苦手。仕事の面でも社会貢献でも、女性同士が協働してシナジー効果をあげようとのアドバイスでした。次に、「キャリア中断への対処」。重要なのは、とにかくあきらめないこと! また、情報発信をし続けると思わぬアドバイスを得ることがあるとのこと。最後に盛り上がったのは「パートナーとの付き合い方」。忍耐及び早い時期にパートナーへの教育が重要との指摘には、参加者も納得(笑)。新婚の頃に完璧な主婦を演じると大変なので、早めの分担が重要だそうです。
 ラウンドテーブルは本当にあっという間! 参加者の体験談も混ざり、大いにシナジー効果を感じられた2時間でした。(報告者 松本理恵さん)

グループC アドバイザー 菅原氏

グループCは昨年まで日本IBMに在籍されていた菅原香代子さんを囲んで、主にキャリア形成のプロセスについて経験談を伺い、アドバイスをいただきました。入社以来30年近く、基本的には技術畑を歩き、日本人女性で初めての技術理事として、IBMグループの技術者20万人中トップ500人にまで上り詰めています。自ら手をあげてアピールしてこそ上を目指せる、というのはさすが外資系、しかもIBMです。しかし、グローバル競争の中で日本人が勝ち残っていくためには、このグローバルスタンダードに対応できなければならないとのこと。

時代と共に社会も変わる、会社も変わる、ビジネスも変われば評価される基準も変わります。時勢を読み、会社が次に必要とするところ(すなわち、評価されるところ)にチャレンジする場を見つけて、アピールしてポジションを得る。そして、その時に自分を推してくれる味方を作っておけるかが重要だと。菅原さんはSEとして入社していますが、希望して一時企画部門に異動します。そこで、会社がどういう仕組みで動いているのかの全容がわかったといいます。この経験が、その後のネットワーク作りと時勢を読む力をつけるために鍵だったのかもしれません(報告者 北川道子さん)。

グループD アドバイザー 中村氏

Dテーブルは9期のJWEF運営委員長をされた中村立子先生です。町田さん、関さん、鈴木さん、佐藤は先生からいろいろな話を伺うことができました。様々なお話の中から私がなるほどと感じた点は以下の3点です。

  1. 子供を産むつもりなら早いほうが良い。産まれてくればどうにでもなる。⇒うん、たしかに保育園とか育児の仕組みはずいぶん良くなっている。
  2. 社内の目を気にしていてもしょうがない。所詮企業の価値観は外からみればたいしたことは無い。機会があればいろいろなことにチャレンジして、多くの「目」にあったほうが良い。⇒自分が気にしている「目」はたいしたことでは無いのね。
  3. 部下の育成を考えるとき、その人が自分のライフコースを描いているかがポイント。育児休暇などの制度があるから活用しているだけで、自分のライフコースを進む為に現在の選択をしているかは判らない。⇒「高学歴なのにもったいない。」なんて私の勝手な思い込み。日頃からどんなことを考えているか見定めないと。

JWEFの行事に参加すると、いつもみなさんから元気がもらえます。ありがとうございました。機会がありましたら泊まりで座談会しましょう(報告者 佐藤由香利さん)。

▶ 「2011年活動実績」ページに戻る

Copyright © Japan Women Engineers Forum. All rights reserved.