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2011年2月3日、情報処理学会主催の「ソフトウエアジャパン2011、IT ダイバーシティ フォーラム、副題:女性達が知恵と力を育むコミュニティ活動」のイベントがタワーホール船堀で開催され、JWEF運営委員である日本アイ・ビー・エム 森 茂子氏が、女性ネットワーキングの一つであるJWEFの活動を紹介する講演を行いました。
「ソフトウエアジャパン」はITプロフェッショナル(実務家)のためのシンポジウムとして、2004年度から毎年開催されています。今年の「ソフトウエアジャパン2011」のテーマは,「サイバー・フィジカル・システム -クラウドに組み込まれる実世界 -」で,日本のソフトウエア産業が物理世界とサイバー世界の融合においてどのような貢献ができるのかを議論していました。
メインセッションから独立して実施されたITフォーラム・セッションでは、8つあるセッションの内の一つとして「ITダイバーシティ フォーラム」が設けられ、企業の枠を超えて女性たちの手で運営されているコミュニティ活動を取り上げていました。以下の4つの講演が順番に同じ会場(平安の間)で行われました。
講演者である森さんからご自身の紹介・JWEFとの関わりに続いて、「女性技術者を取り巻く課題」、「日本女性技術者フォーラム(JWEF)の役割」、「コミュニティ活動で得たこと」、「JWEF入会方法」が簡潔に話されました。「女性技術者を取り巻く課題」として、日本社会全体における女性技術者のキャリアアップ阻害要因は男性中心の職場、管理職の理解不足、将来像がみえない、職場でマイノリティーな存在、などが挙げられます。それらの解決策として、トップマネジメントのメッセージ、エグゼクティブのサポート、人事制度の整備、管理職教育、管理職と女性技術者のコミュニケーションなど企業内の施策は必須ですが、それ以上に女性技術者自身の意識を高め成長させることが重要です。その実現のために、女性技術者同士のネットワーキング活動が有効であり、企業や職域の枠を超えた交流ができるJWEFの存在意義を力説されました。JWEFは女性技術者を増やし励ます社会貢献的な活動をしているともいえます。
JWEFではTop Downで誰かに指示されて動くのではなく、女性自身の意思で会に参加し、女性を取り巻く課題やネットワーキングの重要性を強く認識する会員ボランティアによって運営されていること、をご自分の体験と共に話されましたので、聴く人にとってわかりやすく、親しみやすいプレゼンテーションでした。JWEFの魅力を知って、一人でも多くの女性技術者が参加していただけるのではと大いに期待しています。
また、森さんのスピーチに先立って講演された國井 秀子氏はJWEFのアドバイザリーボードのお一人でもおられ、グローバルなコミュニティとして、APEC/WLNやIEEE WIE等の紹介をされました。女性がキャリアアップしていくためには、Best Practiceを学び、Role Modelを探し、Job opportunityやBusiness opportunityをつかむこと、そのためにネットワーキング活動が重要であることを述べられました。
また、米国製のコンピュータエンジニアのバービー人形を持参され、これからの女の子たちが「コンピュータエンジニアになりたい!」と憧れるような魅力的な職業にしたいという抱負を語っておられました。
今回はIT分野でしたが、その他の技術分野においても、JWEFを知っていただける機会にはこれからも意欲的に参加してJWEFを紹介し、仲間を募っていきたいと思っています。
文:小田村運営委員