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世の中は構造改革一色ですが、構造改革が実現された後の社会というのは一体どのようなものなのでしょうか。私たちはどのような社会を構想しているのでしょうか。
第一にはなんといっても、この社会、世界、地球が続いていってほしいと願います。また、画一的な社会でなく、生物(人間も)、人々の考えも多様で、いろいろと選択が可能な社会になってほしいものです。そして、いろいろな人々と対話し、協働して活動ができるような社会を望みます。
少し堅苦しい言葉で表現すれば,持続可能性(Sustainability)、多様性(Diversity)、関係性(Partnership)ということでしょうか。
三つについて空間面からみてみると、各々、地球全体の環境負荷容量の管理、生物多様性の維持、自然との関係性の回復といった課題が現れてきます。時間の切り口を入れると、地球・人類の未来の生存期間の長期化、人間の一生における選択肢の拡大、過去・未来との対話の重要性といった問題が浮かび上がってきます。
また、三つの観点から経済活動を捉えなおしてみますと、所有からサービスの利用へ、新設から既存ストックの有効活用へ、大量生産・大量消費・大量廃棄から循環型生産方式へ、利用する人が限定される製品から誰でも使いやすいユニバーサルデザインへと変わっていくことが大切だと思います。
例えば、スウエーデンのエレクトロラックス社では洗濯機を家庭にレンタルし、その使用料を(インバースマニュファクチャリング)が稼動しています。社会資本整備においても、施設の長寿命化、既存施設の保全・有効利用による転活用の可能性といったライフサイクルマネジメントの観点が重要になってきています。
事業の内容も一昔前であれば,官が行なう公共事業と民間が行なう市場における活動とはっきり分かれていましたが、最近では企業がNPO的な活動を行なったり、NPOが市場活動を行なったり、また、最近ではナップスターのようにピア(仲間)トゥ ピア(仲間)のように市場原理(ビジネス)そのものを消滅させるような動きとそれに対する市場による取り込みが起こったりしています。
事業を行なう主体も、大企業・中堅・中小企業・ベンチャー企業から協同組合、NPO、公共、PFI、学校というように多様な事業主体がしかも協働することが多くなってきています。
もちろん、家族や個人、女性、高齢者というような主体もいきがいのある生活や活動が行なえることが大切です。このような様々な主体が参画の機会を広げていくことのできる社会になっていくことが必要です。
もちろん個人はひとつの空間的な地域、コミュニテイにとどまるものではありません。
再度、持続可能性・多様性・関係性の三つの観点に立ち返ると、どうして個人はひとつの地域の住民票しか持てないのでしょう。都市に住んでいる人は地方(農村)に、地方に住んでいる人は都市にもうひとつ住民票を持つことができたら良いのではないでしょうか。ひとりの人が二つ(以上)の地域連携住民票を持つことにより、各々の地域に税金を納め、各々の地域からサービスを享受することができれば、さらに各々の地域の選挙にも参加できるようになれば、都市と地方(農村)の交流・共存も進み、現在のような不毛な対立が少しでも和らぐのではないでしょうか。このような多帰属型の社会に住みたいものです。